井田淳一 井田淳一

故郷を愛して

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井田は郷土を愛し大切にした作家だった。そして生涯を通して、変わりゆく郷土の風景に向き合い、絵を描くことを通して忘れてはいけない故郷の姿を見つめる姿勢を周囲に伝え、地域の社会教育に貢献し続けた。井田が描いた日本の風景、故郷の山々そして消え行く茅葺き屋根の民家風景からは、日本の四季を通してしか感知することの出来ない光や色彩の美しさ、風の匂いや空気のやわらかい緊張感などがやさしく伝わってくる。
「田舎の風景にはあこがれがあるんです。とりわけ晩秋から冬が好きで、ちょうど民家に斜めから光が差し込んでくる光景は涙が出てくるほどきれい。こんな大きな体で笑われちゃうけど。」
(1987年3月1日 あさひ群馬記事より)