井田淳一 井田淳一

ヨーロッパを愛する

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ヨーロッパに渡り絵を学ぶ、ということは、井田にとって若い頃からの叶わぬ夢であった。郷土を愛する一方で、井田の中にはその西洋への憧憬、愛着が最後まで輝きを失わなかった。幾度かの渡欧の度に、井田はヨーロッパ文化を肌で吸収し、行く先々でスケッチをし帰国後その情景をキャンバスに描いていった。石の文化が築き上げた風景に心を打たれ、構図や色彩の探求がされる中で、井田の目がとらえたヨーロッパの外光や色彩は、しばしばブルーやグリーンの色づかいの中に息を吹き返してゆく。